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内容の概略
第1章 佐渡配流

 日蓮が佐渡流罪に至るまでの経緯と、佐渡到着後、塚原に入るまでの日蓮の動きについて詳述されている。

第2章 塚原配所考

 現在、塚原山根本寺が日蓮の「塚原配所」であったと広く信じられているが、日蓮を預かった守護代・本間重連の館との位置関係や『日蓮遺文』での風景描写と一致していない。著者は独自の手法で当時の国府や守護所の位置を手がかりに本間重連邸を探し出し、そこから『日蓮遺文』の描写と一致する場所を塚原配所と推定する。そこはまさに阿仏房の遺跡群に囲まれていた。

第3章 阿仏房

 日蓮流罪当時の流人を預かるシステムに言及し、阿仏房が「名主」であることを明かすと同時にその居住地域も特定。さらに阿仏房が日蓮の一谷移転に先立って追放されていた事実に触れ、その追放先の場所を探求する。
 また、阿仏房は遠藤為盛という北面の武士で、順徳上皇に随行して佐渡に来たという伝承が、まったく後世の作り話に過ぎないことを明かし、その伝説の成立年代にまで論及する。

第4章 一谷入道

 『日蓮遺文』より一谷入道の人物像に迫り、その居住地域を独自の手法で浮上させ、一谷での「預かりたる名主」を推定する。

第5章 国府入道

 「一谷入道」と同様に、国府入道の人物像と居住地域に迫る。

第6章 中興入道の謎

 中興入道は種々の伝承が互いに相容れない主張をなしているため、その人物像は謎につつまれている。伝承を一つ一つ吟味し、他の古文書の分析などから、中興入道は佐渡本間氏の一類ではないかとの推論に至る。

第7章 赦免そして鎌倉へ

 日蓮の赦免に関しても、事実に基づかない伝承が多い。日蓮が佐渡を発った港、日付など従来の定説を、『日蓮遺文』より覆す。

第8章 「聖地」の形成

 佐渡の日蓮に関する史跡は、全て後世に作られたものである。それらの成立について明らかにする。

結 び 日蓮と佐渡の国人

 佐渡の国の人々が、日蓮にまつわる様々な物語を作出した心情などについて触れる。

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